『イタリアの街ガイド』第10回 フェッラーラ 前編

09/12/2018

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イタリア旅行コラム『イタリアの街ガイド』
フェラーラ 前編

フェラーラ ヨーロッパ最初の近代都市

1995年ユネスコの世界遺産に指定されたフェッラーラは北イタリアの鉄道の分岐点ボローニャから、30分ほどに位置している小さな町。14世紀から16世紀にかけてエステ家が治め、中心街は今でも当時の町並みが残されている。

 

 

エステ家は芸術先進国のトスカーナやパドヴァ、ヴェネツィアから一流の芸術家を宮廷に招き、街は芸術振興都市として発展。1484年には、エルコレI世・デステ候が都市整備計画を行い、フェッラーラは「ヨーロッパでの最初の近代都市」と言われる。
そりゃすごい

中心街を見渡すと、たしかに綺麗。道は真っ直ぐに走っているし、車の進入制限がされているので、街が整備されていることを感じる。中世からの町並みを残し、ただでさえ狭い道の両側が違法駐車で埋め尽くされているフィレンツェなどとは対照的だ。
イタリアの路駐は か・な・り ひどい・・・

 

エステ城と大聖堂を訪れよう!

駅前の大通りVia Cavour(ヴィア・カヴール)を15分ほど歩くと、赤レンガのエステ城が見えてくる。1385年に築城されたこの城は、現存するヨーロッパで唯一、周囲に水を巡らした城の構造を留めている


エステ城の近くには1135年から聖ジョルジョに捧げられたロマネスク様式のカテドラーレ(大聖堂)があり、天井が高い聖堂内にはラファエッロに影響を受けたガローファロフランチャの作品が見られる。

天井が高い大聖堂 内部

 

美術好きなら、スキファノイア宮殿とディアマンティ宮殿

フェッラーラ観光の目玉ともいえるスキファノイア宮殿Palazzo Shifanoiaは、かつてのエステ家の別荘であったこともあり、中心街から東に離れたところにある。スキファノイアとは、「退屈を晴らす」という意味で、その言葉が示すように、中には「12ヶ月の間 Salone dei Mesi」で有名な、部屋一面がフレスコ画で飾られた華やかな部屋がある。

(左)スキファノイア宮殿  (右)ディアマンティ宮殿

 

三段に分けられた壁には、上から《各月の神の凱旋》 《月の星座》 《エステ家の人々の宮廷生活》が壁一面に描かれ、コズメ・トゥーラ、エルコレ・デ・ロベルティ、フランチェスコ・デル・コッサら「輪郭がカクカク」したフェッラーラ派画家の作品が楽しめる。

 

そのフェッラーラ派の作品が一堂に集ったのが、ディアマンティ宮殿(Palazzo dei Diamanti)! 建物全体が三角錐の大理石で覆われており、その切り口がダイヤモンドのように見えるからこう呼ばれる。現在は、国立絵画館la Pinacoteca Nazionaleになっており、エステ家が招き寄せたトスカーナ、ヴェネト地方の画家たちの作品や、フェッラーラ派の作品の一大コレクションを楽しめられる。

 

それにしてもフェッラーラで見られる美術というのはクセが強い。絵も彫刻も建築も全てカクカクしている。下図は、スキファノイア宮殿で見られるエルコレ・デ・ロベルティの《ウルカヌスの鍛錬所》だが、手前の後姿の人物の舞い上がった衣服の裾なんか、触ったら手が切れそうなほど線が鋭く、そして「チクチク」している。あまりにも受け入れがたい変な表現と思い、当惑してしまうかもしれない。

エルコレ・デ・ロベルティ《ウルカヌスの鍛錬所》12ヶ月の間、スキファノイア宮殿

 

 

ルネサンスというと「均整がとれた美」というイメージがすぐに思い浮かぶので、フェッラーラ派の画家たちが、何に美意識を置いていたか?を、きちんと理解しないと、ただ単に「醜い」と感じるひとも多いかも。

 

次回はそんな人のためにフェッラーラ派の見方を紹介します。お楽しみに。

 

■■  Access  ■■■■■■

スキファノイア宮殿
Palazzo Schifanoia

 

修復のため、2018年は休館

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