『イタリアの街ガイド』第13回 マテーラ

09/12/2018

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イタリア旅行コラム『イタリアの街ガイド』
マテーラ

グランドキャニオンのような所に町がそびえる。そんな不思議な風景が南イタリアに存在する。移動手段は徒歩のみだが、マテーラは、犯罪率が少なく最も住みやすいイタリアの町の1つに数えられる。

メル・ギブソンの映画『パッション』のロケ地に使われたこともあり、多くの観光客が訪れている。

 

「グラヴィーナ」、「サッシ」ってなに?

マテーラを訪れるなら、ぜひ覚えていてほしい用語が二つある。「グラヴィーナ Gravina」と「サッシ Sassi」だ。

「グラヴィーナ」は、グランドキャニオンのような深い峡谷のことをいう。ちょうど上の写真のような風景のこと。

「サッシ」という言葉は、マテーラに着くと、至るところで目にすることになる。道路案内から、サッシっていう場所は、有名な場所であることが想像できる。

実際、「サッシ」とは、マテーラの町のなかでも、世界遺産に登録された最も古い2つの地区のことを指す。つまり、岩窟に穴が穿たれた家々がある地域のことで、マテーラらしい地域を指す。

 

古代の工学技術の塊の町

岩屋や簡素な家々が軒を連ねるマテーラの町並みは、現在の我々の目には、「カオス」としか映らないが、岩を掘って作られた町並みは、もっとも優れた古代の工学の1つに数えられる。

その町並みは、古代のエルサレムを彷彿されるので、これまでも古代ローマ時代に関する様々な映画のロケ地として使用されてきた。

近年では、メル・ギブソンの『パッション』のロケ地として選出され、再び脚光を浴びている。古代のエルサレムの町並みのロケ地選びのためにマテーラを訪れた彼は、「町を初めて見た時、頭が真っ白になってしまった。ただもう完璧だったからだ」という言葉を残している。

 

みどころ

■ヴィットーリオ・ヴェネト広場 Piazza Vittorio Veneto

17、18世紀に建てられた建物に取り囲まれるように広場がある。町の中心の非常に美しい広場。

 

■大聖堂 Basilica Cattedrale

天に昇っていくかのように、サッシの頂上に位置する13世紀イタリア・ロマネスク建築。北イタリアにもロマネスク建築は存在するが、黄色い石の地の色を活かしてシンプルにデザインされたマテーラの大聖堂は、美の極致。天高くそびえる鐘楼も美しい。サッシの頂上にあるので、ここから見渡せる世界遺産に登録されている古い街並みの俯瞰は圧巻。

 

■サッシ  Sassi

世界遺産に登録されているサッシは、サッソ・バリザーノ Sasso Barisano とサッソ・カヴェオーゾSasso Caveoso の2つのサッソからなる。(イタリア語でsassoは単数形、 sassiは複数形)

岩を穿って作られた町なので、上下水道などを設置するのが難しく、1952年には、衛生状態を定めた法律に適合することができず、住民は強制退去されてしまった。
80年代以降、町の再生が行われ賑わいを取り戻した。

 

■カーザ・グロッタ Casa grotta

マテーラの洞窟住居がどんなものか見学することができる。マテーラの洞窟住居のパンフレットなどに載っている、ホテル並みに綺麗な住居の写真と比べると、こんなところで生活できるのかな?と思ってしまう。

ちなみに、この家は、もとは農民の家であったそうだから、そもそも快適さや、洞窟住居ってステキ!などとという考えで見学すること自体が間違っているかもしれない・・・

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ナポリ以南になると、極端に公共交通機関の乗り換え事情が悪いイタリアで、やっとマテーラにたどり着くと、「こんなにアクセスの悪いところに来たのは日本人のなかで自分だけでは?」という錯覚に陥ってしまいがちだが、町のレストランには日本語メニューが溢れる。
・・・みんな、結構パワフルねぇ、という感傷に浸ってしまう。

■■   Access   ■■■■■

イタリア国鉄TRENITALIAを使うなら、ナポリからバーリに行く。バーリとマテーラ間は、TRENITALIAは運行していないので、バーリ中央駅を出てすぐ左手にある私鉄駅で乗り換える必要がある。バーリ-マテーラの所要時間は、1時間15分ほど。

 

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