『イタリアの街ガイド』第8回 ナポリ カゼルタ王宮

10/10/2018

こんにちは。すたじゃ!です。

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イタリア旅行コラム『イタリアの街ガイド』
ナポリ カゼルタ王宮

 雑多という形容詞がお似合いのナポリから30kmのところに、雄大な王宮が広がる。カゼルタ王宮はイタリアの建造物の中でも異彩を放っている。

「広く美しい庭園には息を呑むばかり」

絶対王政が定着しなかったイタリアでは、これほど広大な宮殿を目にすることができない。カゼルタ王宮は別名“カンパーニア州のヴェルサイユ宮”と呼ばれ1996年、ユネスコの世界遺産に登録された

スペイン王が建てた宮殿



カゼルタ王宮Reggia di Casertaの建設は、1751年にブルボン家のナポリ王カルロ7世(後のスペイン王カルロス3世)の命令で、お抱え建築家ルイージ・ヴァンヴィテッリ指揮の下に始められた。1780年に完成した宮殿は、1200部屋と34の階段、1742の窓をもっているが全体的に平面的なプランをもつ。そしてこの宮殿の一番の特徴は、内も外も劇場風なことだ。

美しすぎる庭園!

カゼルタ王宮の一番の見所はその広大な庭園であろう。庭園の真ん中にはカナローネと呼ばれる大水路が宮殿の裏側のファサードから一直線に3kmに渡って走っている。この大水路には様々な噴水と彫刻が設けられ、最後は80mの高さの滝でクライマックスを迎えている。

イタリアで、これと似たコンセプトをもつ庭園で思い当たるのがフィレンツェのピッティ宮だが、スケールがあまりにも違うことに驚かされる。

庭園は狩りを神話で表したもの

美しい庭園を歩いていて、そこに置かれた彫刻が何を表しているか知りたいという欲望に駆られるかもしれない。狩りが好きだったカルロ7世の趣味を反映して、表された主題は狩りのモチーフが多い。たとえば、大水路の果てにある《ディアナとアクタエオンの噴水》は、月と狩りの女神ディアーナの水浴を森で偶然見てしまったことから、鹿に変えられ、自分の飼い犬に殺される可愛そうな狩りの名手アクタイオンを表している。
 
(左)三日月を頭につけて表される月の女神のディアーナが、アクタイオンに裸を見られ隠そうと慌てる。

   偶然の出来事だったが、女神は今風に言えば「逆切れ」して、アクタイオンを鹿に変えてしまう。

(右)半分鹿の人間は、「せんとくん」じゃありません(笑) 哀れなアクタイオンは鹿に変えられ、自分の飼い犬に食い殺されてしまいます。なんたる悲劇・・・


このように主題を知っていると、広い庭を散策するにしても、話の話題に困らず、また同じ景色でも違って見えてくる。庭園には「○○の噴水」とテーマをもつ噴水がいくつもあるので、予め下調べしてから実際に訪れるのと、知的好奇心を刺激され、また帰国してからも写真を見返しても鮮明に記憶が甦り、印象深い旅になることは間違いない。

■■   Access   ■■■■■

カゼルタ王宮 La Reggia di Caserta
・王宮(Palazzo Reale)

 時間: 8:30 – 19:30
切符売り場は 18:45まで。
最終入場時間: 19:00
最終退館時間: 19:25

・王宮の庭園とイギリス式庭園

 季節によって閉園時間が異なります。冬場の最終入場時間は13:30です。
 最低12:00くらいまでには入りましょう!

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