『イタリアの街ガイド』第5回 フィレンツェ 無料で見るアンドレアの傑作
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イタリア旅行コラム『イタリアの街ガイド』
フィレンツェ アンドレア・デル・サルトの傑作をタダで見る~
1982年世界遺産に登録されたフィレンツェの歴史地区。ルネサンスが花開いた芸術の都は、どこを見渡しても貴重な美術品で彩られている。今回は、街中で“タダで!”多くの作品を見ることができるフィレンツェの大画家アンドレア・デル・サルトを紹介。

ウフィッツィ美術館、フィレンツェ
レオナルド、ミケランジェロ、ラファエロに続く巨匠
アンドレア・デル・サルトは1486年にフィレンツェで生まれ、1508年頃から活動を始めた。
彼の画風の特徴はピッティ宮に所蔵されている《ブラッチの聖家族》をみてもわかるように、「ミケランジェロの人物構図」、「レオナルドのアンニュイ感漂う陰影」「ラファエッロの可愛らしい女子供たち」「フラ・バルトロメオの色彩と背景舞台」と、彼より前の世代のフィレンツェで活躍した画家たちのいいとこ取りなのが特徴だ。

Galleria Palatina (Palazzo Pitti), Firenze
アンドレアの初期作品は、サンティッシマ・アンヌンツィアータ聖堂のキオストロ・デイ・ヴォーティ(祈りの回廊)でも見られるが、こちらは、ちょっと変わった彼の2人の弟子、ポントルモとロッソ・フィオレンティーノの壁画のほうで有名だ。

美しい洗礼者ヨハネ像で売れっ子に
ドゥーモからサンマルコ聖堂方面に徒歩20分ほどに位置するスカルツォ聖堂回廊(キオストロ・デッロ・スカルツォ)にアンドレアの傑作はある。入口は目立たず、知らずに通り過ぎてしまいそうなくらい小さな回廊だが、非常に質の高い作品が見られるため、ヴァザーリによると制作後に「画工の学校」となってしまったほど。
この回廊はグリザイユという白黒を基調とする単色画で仕上げられている。この技法は、壁に浮き彫り効果を表すためによく使われる手法だが、顔料に土や木灰を使うだけなので、安上がりになる。
金がない注文主と名が売れていない若い画家の利害一致
あのラファエッロだって20代前半を過ごした4年間のフィレンツェ時代には、一般の家庭内に飾られる「聖母子像描き」をしていたわけで、大規模な仕事は、なんと1件しか任されていない。
画家の見本帖 Taccuino

Chiostro dello scalzo, Firenze

Galleria Borghese, Roma
フィレンツェで一番美しい最後の晩餐

1523年 Chiostro dello scalzo, Fireze

美しすぎて破壊の危機を免れた!
この《最後の晩餐》は、あまりに美しすぎて以下のような話が伝わっている。
1529年、カール5世との戦でフィレンツェが略奪にあった際、
「街の城壁の外にある修道院や病院などあらゆる建物を破壊しようとした敵軍は、サン・サルヴィの聖堂と鐘楼を破壊し、更に修道院の奥へと進んでいったところで、はっと我に返った。そこにはこの最後の晩餐があり、(…)破壊の手を止めてこの傑作を保存する事にした」(G.ヴァザーリ1565年)
*
多くの美術品が美術館に収蔵されてしまう昨今、アンドレアのスカルツォ聖堂の回廊とサン・サルヴィの《最後の晩餐》は、今でも500年前にアンドレアが制作した時の空間をたたえている。これだけ保存状態がよく、しかも傑作が、描かれた当時の場所で見られるのは幸運というしか言いようがない。
■■ Access ■■■■■
スカルツォ聖堂回廊
Chiostro dello Scalzo
開 : 月、木、土(第1,3,5)、日(第2,4)8:15-13:50
料 : 無料
サン・サルヴィ聖堂
Chiesa di San Michele in San Salvi
開 火曜-日曜 8:15 – 13:50
休 月、1/1、12/24
料 無料
Via di San Salvi 16, 50135 Firenze
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