『イタリアの街ガイド』第2回 ミラノ 最後の晩餐
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イタリア旅行コラム『イタリアの街ガイド』
ミラノ レオナルド《最後の晩餐》
「今度ミラノに行くんだ♪」と友達が言ったら、誰でもすぐにショッピングとレオナルドの《最後の晩餐》が頭に想い浮かびますよね。《最後の晩餐》が素晴らしいってことは常識。でも「どこがどう素晴らしいんでしょ?」
レオナルド・ダ・ヴィンチ《最後の晩餐》(撮影可能だった2000年くらいに撮ったものを加工)
食堂の壁面だから食事の場面が選ばれたのだ
どの書籍やテレビ番組を見ても《最後の晩餐》は「すごい」、「傑作」と言われている。では具体的に何が凄かったのか?簡単に言えばそれは「絵の中に空気を表した」ことにある。《最後の晩餐》では、使徒たちがいる前景から背景にかけて徐々に物の輪郭がボケてゆく。空気中の塵や埃に当たった光の乱反射で、後ろにあるものほどボケて見えることがしっかりと表現されているのだ。さらに人物たちに当たった光は柔らかく反射し、それが人物たちに感情やオーラを与えている。
まさにキリストが「あなた方の一人が、私を裏切るであろう」と言った瞬間の、弟子たちの激しい動揺の雰囲気を目で感じることができるのがすごいのだ。
本当の凄さは同時代の作品と比較するのが一番!


サンタ・マリア・デッレ・グラッツィエ聖堂が建つマジェンタ通り Corso Magentaから600mほどミラノ大聖堂寄りにサン・マウリッツィオ・アル・モナステーロ・マッジョーレという質素な聖堂がある。
中に入ってみるとビックリ!壁一面が色鮮やかなフレスコ画で覆われている。作者はレオナルドより30歳も若いベルナルディーノ・ルイーニという画家で、レオナルドと一緒に仕事をしたのでは?と考えられている。
とにかくレオナルドがデッサンでしか残していない絵の構想を、拝借して色をつけて完成させているところをみると師弟関係のように親しい間柄であったことが容易に推測できる。
↑そうは言っても、この聖堂は、これはこれでキレイ。
ルイーニを見た後にレオナルドを見ると納得!
ガラスの自動扉に導かれ入った薄暗い食堂の壁には、《最後の晩餐》が必要最低限の光で照らされている。厳粛な雰囲気の部屋の中に、驚く弟子たちの激しい感情、それとは反対に、自分が裏切ったことを悟られまいと動作を押し殺すユダ、そしてキリストの全てを覚悟した物憂げな表情などを「目で感じとれる」。ルイーニの絵を見た後であれば、ここにあるレオナルドの凄さにもう説明の言葉を必要としないはずだ。
■■ Access ■■■■■■■
サン・マウリッツィオ・アル・モナステーロ・マッジョーレ聖堂
Chiesa di San Maurizio al Monastero Maggiore
開 09:30-17:30
休 日、月、12/5, 12/24, 12/25 1/6
場所 corso Magenta 15 20123 Milano
(考古学博物館 Museo Archeologico の隣)
tel 02 86450011 (Museo Archeologico)
サンタ・マリア・デッレ・グラッツィエ聖堂
Santa Maria delle Grazie
開 8:15-18:45
料金 € 12,00 定員25人、15分の見学。
休館日 毎週月曜日、1月1日、4月25日、5月1日、12月25日
予約サイト
URL:https://cenacolovinciano.vivaticket.it/#
そもそも絵の中に空気を表現する技法は壁画では難しく、レオナルドも通常の壁画技法から逸脱した方法をとっている(それが原因で《最後の晩餐》は完成直後から傷みだした)。もし製造者が作品の品質に保証の義務を負うなら、レオナルドは欠陥品を注文主に渡してしまったと言わざるをえない。
油絵のルイーニの作品は、輪郭がボケており、技術の高さを証明しているばかりか、子供たちや美しい聖人が多く登場し、非常に魅力的な画家であったことを付け加えておこう。
下の写真は前出のサン・マウリッツィオ聖堂内の装飾の一部だが、なかなか魅力的ではないか。
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